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「海」小林和作
2010年1月20日掲載

 小林和作の油彩画12点を並べた展示室に足を踏み入れると、空気が明るくなったような感じがする。
 和作の風景画の色は深く明るく輝いている。何かに反射した色のまぶしさではなく、ある種の鉱物のように、内部に光が閉じこめられたような色である。本人も色にはよほど神経を使っていたらしく、絵具は特別注文して作らせていたという話も伝わる。
 和作は美しい風景の構図を求めて、日本国中を歩いた。北は北海道から南は九州、さらに八丈島や小笠原まで。
 それほどまで追い求める美しい風景の構図を、和作は「青い鳥」にたとえた。「白髪の私がいつまでも青い鳥を捜すのは悲惨であるが、これが私の宿命であろう」。
 今度こそ青い鳥を捕まえたか―?  
 すばやく大胆に動かされたペインティングナイフの跡を見ていると、和作のそんなはやる気持ちが伝わってくる。展示は4月4日まで。

県立美術館学芸課長 斎藤 郁夫