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「山水図屏風」(右隻)桃山時代 雲谷等顔
2010年5月19日掲載

 雲谷派のシリーズ展の第1回目「雲谷派創立」が始まった。
 ひとつの屏風の六つの面を右から2面ずつ眺めてみる。ちょうど山折れしているところで場面が大きく変化しているようだ。
 まず右の2面。深山幽谷の地に、大きな建物が並んでいる。右下の石橋から覗いているのは荷物を積んだ船? 船旅でここまで行けるらしい。険しそうな背後の岩峰。登るとしんどそうだ。
 真ん中の2面では、対岸の松林にもやがかかってぼんやり見える。こんな景色、どこかで見たような気がする。小さく波
立つ河口近くの岸辺には低い家並みも見え、船がつながれている。
 左側の2面は大展望だ。岬のはるか向こうに山々が青く見えて、海が広がっている。山奥から海に続くまでの長い長い川の流れ。その様子がひとつの画面のなかで三つの場面に描き分けられているのがおもしろく、何度も何度も行き来して眺めた。

県立美術館学芸専門監 斎藤 郁夫