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開館当時の美術館とパークロード
2012年1月25日掲載

 現在、県立美術館正面の石垣の間に白く高い壁が立っている。開催中の学校美術展覧会の終了後に本格的に始まる美術館改修工事の準備である。
 美術館が開館したのは79(昭54)年10月。もう32年が過ぎた。開館当時の写真を見ると、パークロードのケヤキがまだまだ細くて小さい。夏になれば鬱蒼となる現在の姿からすると、にわかには信じがたいような気がする。でもこうした思いがけない驚きの経験こそが、本来の時間の経験だとも思う。
 時間のなかで物は古びる。しかし命あるものは育つ。ケヤキは見違えるほど大きく枝を張り、生まれたばかりの赤ちゃんも、一人前の大人に成長してゆく。美術館はどうだろう。ちゃんと育ってきただろうか。32年が過ぎて、改修が必要なほど古びただけ、とは思いたくない。
 しっかり成長してきたがゆえの脱皮の時期を今迎えたのだ、そう改修工事の意味を考えたい。
県立美術館学芸専門監 斎藤 郁夫