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えほんのとびら
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No.33 『月 人 石 』
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| 『月 人 石』に書かれた乾千恵さんの書を見ていると、一つひとつの漢字に宿っている魂のようなものが感じられます。 「猫」という字からは、目を細め、背を丸めて縁側でひなたぼっこをしている三毛猫の姿が浮かんできます。たてがみをなびかせ、大地を力強く駆け抜けてゆく「馬」、小さな体ながら自分より数倍大きい食べ物を懸命に巣穴へと運んでいく「蟻」。一つひとつの漢字には、それぞれの生きものの命の形が凝縮されており、対象の魂をつかもうと紙に向かう乾さんの筆からは「書く」という行為以上の迫力を感じます。 めらめらと炎を上げて燃え上がる「火」、勢いよくほとばしる「水」、緑の草をなでながら吹きすぎる「風」−−見開きのページにおかれた書と写真と短詩とが響き合い、定まった形のないものにも確かな存在感を与えています。 締めくくりは「人」。斜めに広がる2本の線は、やさしくしっかりと支え合いながらひときわ太く書いてあります。この字のように、人々に支えられながら生きていけることを感謝しつつ、人々の支えとなれる幸せを大切にする1年にしたいものです。 (ぶどうの木代表・中村佳恵)
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