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えほんのとびら


No.35『プンク マインチャ』――こどものとも傑作集――

福音館書店
ネパール民話
再話:大塚 勇三
画 :秋野 亥左牟

 『プンク マインチャ』はネパールの民話。継母にいじめられ辛い日々を過ごすプンク。プンクのために角からパンや豆のスープを出してくれる、山羊の頭と狐の頭を持つ動物ドーン・チョーレチャ。おいしいまんじゅうのなるヤモリーの木。ものを言うネズミやカラス―何度読んでも不思議に包まれた作品です。
 私がこの本に出会ったのは幼稚園の時でした。月刊「こどものとも」の1冊として届いたこの本は、それまで触れたことのない不思議な世界の扉を開いてくれました。しかし扉の向こうに足を踏み入れるのはおそろしく、深い闇をそっとのぞくような気持ちでこの本を開いていたのを覚えています。
 「こどものとも」は、松居直さんの「子どもの成長において真の芸術体験となるような本格的な絵画の見られる絵本作品を編集しよう」という思いの貫かれた月刊絵本で、
今年50周年を迎えました。この間生まれた作品の中には、ハードカバーの絵本となり、版を重ねているものも少なくありません。
 この作品もその一つ。心を尽くして作り出された作品は何十年たっても色あせないことを実感できる1冊です。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)