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えほんのとびら

No.84「エンザロ村のかまど」


福音館書店
絵:沢田 としき
作:さくま ゆみこ

 アフリカのケニアにあるエンザロ村では、エンザロ・ジコとよばれる便利なかまどが使われています。このかまどは炊き口一つに対して鍋をかける口が三つあり、同時に三つの煮炊きができます。また全体が土壁で囲まれているので保温性がよく、たきぎも少なくてすむそうです。
 ジコを考案したのはケニアで生活改善の仕事をしている岸田袈裟さん。岸田さんは出身地遠野で使われていた「馬がま」をヒントにしたそうです。ジコはケニアの人々に大変喜ばれ、隣の国ウガンダにまで広まりました。みんなで力を合わせて作ったジコが完成すると、人々は歌や踊りで喜びと感謝の気持ちを表します。
 この絵本を通して、昔の日本の知恵や技術がアフリカに伝わり人々の生活に役立っていることを知り、嬉しく思いました。
 たまたま、この原稿を書いた日の朝日新聞で、「ママ、キシダー」とケニアの人たちに慕われ続けた岸田さんの死を知りました。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)