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えほんのとびら

No.89「1つぶのおこめ」


光村教育図書
作:デミ
訳:さくま ゆみこ

 これはインドの昔話。ある地方に欲の深い王がいて、農民の作った米の殆どはこの王に召し上げられていました。
 ある年、ひでりが続き人々は飢えに苦しみますが、王さまは蓄えた米を一粒たりとも分けようとはしません。
 村娘のラーニはそれを見て、人々を救うためによいことを思いつきます。王さまに「30にちのあいだ、それぞれ まえの ひの ばいの かずだけ おこめを いただけませんか?」とお願いし、王さまはこれを聞き入れます。
 九日目は二百五十六粒。十三日目にはお碗一杯分の四千九十六粒。「しんぱいするには およぶまい」と軽く考えていた王さまですが、約束の三十日目に五億粒を超える米が持ち出されるのを見てびっくり仰天。これからは米を一人占めしないと誓い、人々に信頼される王になります。
 観音開きのページいっぱいに描かれた、二百五十六頭のゾウが背中に米袋を乗せて静々と歩く様子には、王さまならずとも圧倒させられます。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)