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えほんのとびら

No.105「セルコ」


福音館書店
文:内田 莉莎子
絵:ワレンチン・ゴルディチューク

 年をとって役立たずになったと、お百姓の家から追い出された犬のセルコ。行くあてもなくとぼとぼ歩いていると、おおかみに出会います。セルコの身の上を聞き気の毒に思ったおおかみは、自分がお百姓のあかんぼをさらい、セルコに取り戻させようと提案します。作戦は大成功。お百姓はセルコに感謝し、二度と追い出したりしないと約束します。
 おおかみに恩返しをしたいと思ったセルコは、おおかみを主人の家の宴会にこっそり呼び入れ、テーブルの下で御馳走をふるまいます。おおかみはお酒も入ってすっかりいい気分。思わず「ウォオーン」と歌い出したからたまりません。宴会は大混乱。セルコがその場を何とか治め、おおかみは上機嫌で帰っていきました。
 悪役の代表格のおおかみが、情の深いユーモラスな存在として活躍するウクライナの昔話。地元出身の画家による民族色豊かな絵は、語り継がれた昔話のおもしろさと、大地に根ざして生きる人々のたくましさを生き生きと伝えています。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)