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福岡国際マラソン 宮野下、聴覚障害の金子誠一さん国内記録4年ぶり更新

夢だった2時間30分の壁破る
「最後の5`、人生で一番幸せな時間」

 県庁職員で聴覚障害者の金子誠一さん(宮野下、39)が、3日に福岡市であった第60回福岡国際マラソンで2時間29分05秒(60位)を記録し、自身の持つ日本聴覚障害者マラソンタイ記録を4年ぶりに更新。30分を切るのが長年の夢だったという金子さんは「年齢的にラストチャンスだと思っていた。夢が達成できて感無量」と喜んでいる。

 金子さんは、次第に聴力が低下する進行性難聴という障害を持って生まれた。23歳の時、職場の駅伝チームに誘われたのをきっかけに陸上を開始。特に長距離が好きなわけではなかったが、27歳で完全に聴力を失った時、走ることが“生きることを頑張る”心の支えになったのだという。
 29歳の時に初めてフルマラソンに出場。33歳ごろから本格的に記録へ挑戦するようになり、35歳の時に別府大分毎日マラソンで日本聴覚障害者タイ記録(2時間31分30秒)を樹立。05年1月には、オーストラリア・メルボルンで開催された聴覚障害者のスポーツの祭典「デフリンピック夏季大会」に日本代表として出場し、1万bで7位、マラソンで5位入賞を果たした。
 これまでに24回マラソンに挑戦してきたが、ことごとく「2時間30分00秒を切る」という目標を果たすことができなかった。大会に向け、毎日帰宅後に自宅周辺で1時間程度の走り込みを続けてきた金子さんは、「年齢的にも厳しくなっていくのはわかっていたので、この大会で何があっても夢をかなえたかった」と振り返る。
 大会当日。集団から外れ、孤独なレースとなった。しかし、夢に向けてペースを落とさず走り続け、残り5`で「これならいける」と記録更新を確信。両手でガッツポーズをしながらゴールした金子さんは「人生で一番幸せな時間をかみしめていた」と話し、「次は09年のデフリンピックに出場し、メダルを獲得したい」と新たな夢を語ってくれた。