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おんなの目

怒る詩人(2010年1月27日)
「シルバー・マークは事故のもとーざけんじゃねぇ」したのぶお(詩と思想・詩人集2008年より)
ケテグスは真面目人間だ/早速シルバー・マークを付けて/ハイウェイを華麗に走行していたら/老人いじめ(!?)の幅寄せをされて/事故ってしまった/しかも何と! 事故は後期高齢者のせいだとさ!
 したのぶお氏(男性)が何歳なのかわからない。今や沢山の後期高齢者と前期高齢者が白髪をなびかせてハイウエーを走っている。皆さん、怒ったり、不安だったり嬉しかったりで運転しているんだろうなぁー。女性の友達同士が疾走している時には、楽しそうに皆さん笑顔。高齢者の男性が運転している場合は、彼の横に同じような白髪の婦人がちょこんと座っている。夫婦と思う。だって、彼女達のだいたいが、しかめっ面をしているもの…。
 したのぶお氏の詩は怒り続ける。「姨捨・強奪保険にーざけんじゃねぇ」
ヘレネーは家賃3万のアパート暮し/月々6万の年金で暮らしている/が今じゃ介護・後期高齢者医療保険天引きで/水・光熱費はおろか食費にも事欠くありさま/真暗闇の原始生活さ/それで保険を使用する前に/餓死してしまった
モケーレ・ムベンベ(2010年1月13日)
 高野秀行氏の爽快ノンフィクション本に浸っている。元日、いつものようになんか面白い本ないかな、と古本屋を他力本願でうろついていたら「幻獣ムベンベを追え」が目に入った。“コンゴ奥地に生息するという謎の怪獣モケーレ・ムベンベ発見を賭け”ここまで裏表紙の文を読んだら直ぐに買った。コンゴというのが実に刺激的だ。
 ここで本の感動した場面や要約を書くべきだが、内容が濃すぎて書けない。私の手に負えない。ただ読了後、爽やかな風が身体に吹いて来た。そして歯軋りするほど羨ましく思った。私にはこのような青春はなかった。冒険だって、18歳の時山口市内から秋芳洞まで昔の氷屋さんの配達用の大きな荷台のある自転車で行っただけだ。解説に宮部みゆき氏がこう記している。“今の世の中には、絶対こういう本が必要なんです”これがすべて。
 高野氏の本を一気に出版順に15冊読んだ。台風のように吹き飛ばされた。ふっと考えた。私は65歳主婦。今や恐いものなんてない。高齢になり動けなくなったら、山の中で楢山節考ばりに死ねばいいんだ。高野氏に手紙を書いた。「シャンプレーン湖のチャンプ(ネッシー以上らしい)を探検される時には是非ご一緒させて下さい」と。返事はくるかな? 今年も良い年になりそうだ。
新 年(2010年1月6日)
 皆様、明けましておめでとうございます。麗かな新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 今年の干支は第三番目の「寅」ですね。寅の干支の由来を調べてみましたら、なんとこれがステキなんです。寅を動物に充てると虎になります。
 “虎は、毛皮の美しい模様から前身は、夜空に輝く星と考えられました”。
 今流行りの「経済」や「労働」、「戦争」という言葉がないのもいいじゃありませんか。新年最初だけでも、冬の夜空に輝く星を、ただ美しいという気持ちだけで見つめたい。日本全国の人達と一緒に。
 ロマンチックなことを書いたすぐ後に恐縮なんですが、干支の料理、というものがあるんです…虎を食べてみませんか? そう、かつて夜空の星であった虎を食す…できません、そんなこと! いや、俊敏な虎は、美味かもしれない。黄金色の宝石のようなあの目玉はどんな味かしら。引き締まった足は齧りつきたいほど魅力的ではありませんか。恐る恐る本の頁をめくりました。
 “虎というのは、日本にはいませんから、トラフクのお刺身はいかがですか”。安心しました。ちょうど地産地消で重ねておめでたいことです。
 こんな私ですが、今年もよろしくお願いいたします。