| 並びました!(2010年5月26日) |
5月4日、火曜日、連休の真ん中、思い立って京都国立博物館で開催されている“長谷川等伯展”に行った。
等伯の巨大(792・8×521・7センチ)な「仏涅槃図」や「枯木猿猴図」、ニッポンの水墨ここに極まる、と評された「松林図屏風」など観たかったし、風薫るゴールデンウイーク、家に閉じこもっているのも寂しかった。
新山口から新幹線で2時間、速い。
博物館までバスで10分。嫌な予感がした…バスの窓から見たら博物館方面へ行く人が異様に多いのだ。急いで門を入ると、長い人の列。“120分待ち”と書いてある。最後尾に付く。私は待つことは嫌いじゃない。が、絵が観えるだろうか心配だ。
入館すると満員電車なみの混雑。作品保持のため照明も暗く、よく観えない。展示品は襖絵や軸、床まで届く大型のものが多く、作品の半分は人の背で隠れてしまう。松林図屏風も全体を眺めることはできない。松1本は観た。等伯は細部に宿っていて、人の頭の上に観える猿の手の先にも、等伯を感じた。図録を買って、清水寺門前の茶店で、抹茶を飲みながらゆっくり作品を堪能した。
国宝と重要文化財の公開日数は、年2回、延べ60日以内と決まっている。後世に作品を残さなければならないのだ。 |
| 「ひねくれ一茶」の色(2010年5月1日) |
田辺聖子著「ひねくれ一茶」を読んでいると、珍しい色の名が出てくる。
一茶が仲間に“瓶覗”の手拭二タ筋を貰う、とある。瓶覗とは? 「日本の傅統色」(長崎盛輝著)をめくる。
それは、藍染めの極淡い色で、その淡さは水色より更に淡い。瓶は、藍液を貯える瓶のこと。覗きは、被染物を藍瓶の薄くなった液に、一寸浸す(一染め)の意。英名はホリゾン ブルー(地平線に見る淡い空の色)。
憧れの女弟子の描写はこうだ。“路考茶の縮緬の単衣に、下着は薄ねずみ色、帯も同じ薄ねずの厚板だ”。路考茶色とは黄茶の黒味がかった染色。英名はビーチ(ブナの木色)。宝暦から約70年間流行した江戸の人気色。
同じ女弟子の別の日の着物は?縹の紗の単”。縹とは、青色の古名。淡い青色。英名はサファイアブルー(サファイアの宝石の青)。
田辺氏の「ひねくれ一茶」には色が沢山出てきて場面が華やかに広がる。田辺氏は色が好きなのだ。
作中、ある宴席で、一茶が“老いぬれば桜も寒いばかりなり”と詠み「色彩のねえ句だな」と言われた。評した人は天才絵師北斎。句に雀や蚤、子供はよく出てくるが、色は見えないのか? 一茶は色に興味がなかったのだろうか。面白い。一茶の句の色に注意してもう一度読もう。 |
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