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おんなの目

県立山口美術館展(2010年7月31日)
 8月22日まで山口県立美術館では“第2期コレクション展“が開かれています。私は先日訪ねてみました。我が家から近いのですがこの炎天下行くのには覚悟がいります。公民館で見つけた美術展のパンフレットがあまりにも美しかったので出かけたのです。陰影の中に浮かぶ女性のヌード。絹布を流したようなドロリとした水の姿。二つの写真が目をひきました。
 私は近頃美しいものにしか興味がありません。ヌードもそれに沿って観ていきますから、私と同じような(?)体型の女性達が、見事な重量感を伴ってリアルに描かれていても、今の私にはあまり興味がありません。「近代美術におけるヌードの意味の移り変わりとその表現の多様性をお楽しみください」と冊子に記されていますが私は偏った観覧者です。
 アラ、これは! ステキ。思わずほほ笑んでいました。これは美しい。2点の裸婦。松田正平作。目から胃に足先にずっと巡って全身へ、血が躍動しながら流れたのです。永年描いて描いて、それでも湧いて来るもの、軽みの美しさ、とでもいったらいいのでしょうか。黒い線で描かれたうつぶせの女性。二つのお尻とひらいた二本の足。悩殺。ああ、美しい。皆様暑い毎日ですが、どうぞお出掛けください。暑さも忘れてしまいます。
私のマンション(2010年7月17日)
 私、日本の首都東京、それもおしゃれな港区にマンション持っているんです。驚かれました? 42階建ての最上階。3LDKで4億。もちろん即金。
 この話はおかしい、嘘だ…と思われているでしょ? その通り。私が4億なんて、持っているはずないでしょ。実はパソコン内の不動産物件。売り出し中のマンションなんです。
 間取りも立体的に、現実に歩くように見ることができるんです。玄関の扉を開け、26畳のリビングへ一直線。バルコニーに出ると、その時刻そこから見える風景が画面上に現れてくるのです。朝陽に輝く海、レインボーブリッジも見える。夜は煌めく夜景。ロマンチックで飽くことがない。
 友人達と一緒にこれからの高齢時代をここで過ごしたいな。最高級マンションの最上階の部屋で、お婆さん同士が酒なぞ飲んでトランプしてふざけあって生きるのはいいなぁー。こんな超高級マンションにどんな人が住むのかには興味がある。住人の人達の来歴を知りたい。不思議なんです…。
 “生き方の不平等(白波瀬佐和子著)”―いまの日本社会で実際に選択できる「生き方」には、収入やジェンダー、年齢によって著しい不平等があるのではないか―。
 熟読しよう。新しい発見があるかな。
イライラする二人の理由(2010年7月9日)
 Aさんと昼食を一緒にしながら、おしゃべりをした。Aさんから電話で“近頃イライラするのでそのことについて話をしたい”と呼び出されたのだ。
 食事はバイキング形式で、それも制限時間1時間30分。私は食事に支払った料金だけはなんとしても食べなければ、という欲望と、話もしなければならない、という思いがせめぎあい、忙しい。テーブルの間を動き回る。
 Aさんは、私の友人の中でも珍しい理工学部出身。よって理論家…。A「近頃イライラするのよ。どうしてかしら?」。私「私もよ。言葉がよくわからないでしょ?」。A「言葉?」。私「カタカナ言葉。特にパソコン関係。それに略語。若者言葉。ファッション関係の言葉もね」。A「そんなことならそれぞれの辞書を引けばいいでしょ。物知りにでも聞いても解決できるでしょ」。私「いちいちそうするのにイライラするでしょ?」。A「そんな単純な。私は地球の将来について考えるとイライラするのよ。心配で」。私「…」。A「汚れた地球をどうしたらいいと思う? アナタは」。私「そうか、そういうことも考えなければいけないんだ」。A「そうよ、イライラするわね」。私「とりあえずプリンを取ってくるわ。甘いものは、神経を静めてくれるわよ。いかが?」
とじこめる2(2010年7月2日)
 私は、デコパージュとは“とじこめる事”と感じた。自分の意にかなったものだけを寄せ集め、それ等を組み合わせて配置し、張り、金銀のテープで装飾してニスでとじこめる。絵ならば後に加筆もありうるが、デコパージュは壊す以外に作品を変化させることはできない。最低15回ニスを塗るのだ。1回塗るごとに30分かかって乾かす。15回とじこめる作業をする。そして磨き、またニスを2回塗る。特殊な艶だしの油でまた磨く。とじこめ続ける。
 私は最初に従姉の個展の案内状に印刷された絵を切り取り、枠に金色のテープを張ってとじこめた。意気揚揚とプレゼントしたら、すごい!と喜んでくれたけれど、私としては、もっと感激してその場に卒倒して欲しかった…。次にKさんに「とじこめてほしい物を持って来て」と言ったら、飼っている犬の写真をくれた。正方形の板に茶色を塗り写真を張り、オイ君とじこめるぞ、とニスを通常より多い20回塗った。まだ生きているものをとじこめるには時間がいる。Aさんの死んだ猫のイラストもとじこめた。金銀のテープを周囲にキラキラ張り、ニスは軽く7回だけにした。今は、4歳のE君のご所望で、魚図鑑から切り取った魚達をとじこめている。広い海ではなく小さな木切れの上で泳がせている。