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稜線

稜線 (2010年3月26日)
 地球温暖化や森林破壊など環境悪化の進むなかで、人の命に直接関わるものに水もある。
 飲み水、水質、水源、水道と並んで名水とくる。日本百名水が選定されるほど名水は地域自然の証とされてきた。
 いま山口市の中清水町内会で、町内にある「清水の池」の保存整備にむけて市当局へ陳情などに立ち上がっている。
 山口には中世大内氏の時代から京都の名水に倣った茶の湯に用いられた名水が三カ所ある。
 「おぼろの清水」、「藤の水」、「柳の水」で藤の水は道場門前の一の坂川沿いに、柳の水は五十鈴川ダム上流の耕作地にある。
 現在は中央四丁目だが以前は「おぼろの清水」から周辺の町名は清水本町とされていた。
 京都では醒ケ井、柳の水、宇治橋三の間を三名水とするが、桂川、鴨川の伏流水も多く、五名水、七名水と地域ごとに名水がある。そのうち左京区大原にある寂光院には「おぼろの清水」があるが、寂光院は壇の浦の合戦でゆかりの建礼門院が隠静された寺院で、大内氏が山口に京風の町づくりをしたことが「おぼろの清水」の池名に偲ばれる。
 山口らしさの町づくりのためにも清水の池を整備させたい。(F)
稜線 (2010年3月19日)
 今、クリス・アンダーソン著の「FREE(フリー)」が、16万部のベストセラーになっている。「〈無料〉からお金を生みだす新戦略」との副題が付けられたこの書籍は、今やいたるところで見かける「無料ビジネス」の4モデルを、わかりやすく解説。また、この本自体、発売前にネット上で全文無料公開(09年11月)したにもかかわらず、有料(1800円)の書籍もヒットしたことで、「その内容を裏付けた」との大きな反響も呼んだ。
 さて、無料の地域情報紙である「サンデー山口」も「無料ビジネス」の一つだ。同書では「三者間市場」と名付けられたビジネスモデルに分類される。消費者は無料でさまざまなコンテンツを得るが、そのコストは「第三者」の広告主が負担。ただし、広告費用はサービスや商品代金に含まれるので、最終的には消費者が支払っている。逆の言い方をすれば、広告主のサービス・商品を読者=消費者が利用しなくなれば、媒体発行費用の負担者もいなくなり、「札の辻・21」「山口周辺」「おんなの目」や各種記事等のコンテンツも、無料で得ることができなくなるのだ。
 そうならないためにも、本紙愛読者のみなさまには、広告掲載企業の積極的なご利用をお願いします。     (K)
稜線 (2010年3月12日)
 季節の日差しを表現することばに、春は日長、夏は短夜、秋は夜長、冬は短日がある。
 また「春の日と金持ち」―くれそうでくれない―があり逆に「秋の日と娘はくれぬようでくれる」もある。
 人びとが体感にいち早く春を感じるのは北風のつづくなかで、ふと気づく日脚の伸びによる温もりなのだ。
 まだ淡い日差しをうけて春近しをつげる早春植物はオオイヌフグリである。早いものは2月のはじめから北風に身を伏せながらもつる状の茎に、まばらに互生する葉脈から細い花柄を出して咲く花は明るい青色で、たとえ小さくとも周囲が枯草であるだけに人目を引きつけずにはおかない。
 市内御堀橋の近くにある整形外科に治療通院しているが、病院に至る崖道の土手にオオイヌフグリの群落がある。南向きで日当たりの良い場所なので例年どこよりも早く咲いており、思わず立ち止まるほどの可憐な花姿がいじらしい。
 植物が発芽し若葉が萌えてくると草食昆虫が動きはじめる。その代表格はモンシロチョウだ。日本を含む世界に分布するが、元々はヨーロッパ原産のキャベツなど十字科栽培植物ともに広がった。これからは自然のお宝展がはじまる。(F)
稜線 (2010年3月5日)
 市などでつくる「山口市公共交通委員会」は、きょう3月5日を「市内一斉ノーマイカーデー」と定め、市民にマイカー利用の自粛を呼びかけている。
 幸いなことに職住近接のわたしは、毎日徒歩での通勤。マイカー利用は休日が中心だ。夜に宴席がある時には、湯田の繁華街までは徒歩15分程度なので歩く。そして“山口”での会合には「時間があえば」バスを利用する。「時間があえば」というのは、最寄りバス停には1時間に1本程度しか止まらないので、会合の開始に「遅れず、かつ待ちすぎ(早すぎ)ない」到着予定の便に、乗車が制限されるからだ。便数が増えるなどしなければ、今以上に利用することは難しい。
 いまさら、の話ではあるが、全国の県庁所在地で唯一「線引き」のなされていない山口市は、郊外団地等の開発が無秩序に行われ続けたために、公共交通の育ちにくい都市構造になってしまった。この街ではマイカーは“生活必需品”だ。
 しかしながら超高齢社会を目前に控え、“利用しやすい”公共交通体系の整備は急務。新山口駅ターミナルパーク整備と、渡辺市長の提言する中心商店街近くへのバスターミナル設置が、「公共交通を利用しやすい街」へと変わる第一歩になると期待したい。(K)