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稜線

稜線 (2010年6月25日)
 大内時代からの伝承銘菓山口外郎の特質を維持しようと市内の外郎づくりの業者らが起ち上がった。
 山口の外郎はワラビ粉を主に原料としているが、昨今はワラビ粉の生産量が減少し、代替澱粉を使用する割合も多くなってきた。
 ワラビの地下茎から澱粉をとって食用にしたり傘を貼る糊に使うことは古く「延喜式」にも記載されている。
 ワラビ粉をとるには冬期に地下茎を掘り起こしてたたきつぶし水底に沈殿した粉質を集める。そのワラビ粉にモチ米を加えたのがワラビ餅で砂糖など加えると外郎になる。
 秋田県の内陸部にある農村の話だが山の斜面が段々になっている場所がある。これは凶年の年にワラビ根を掘った跡という。凶作がつづくと毎年一段ずつ掘ってゆく。日本の米どころ秋田でもこのような実態が残っており全国的にみると救荒対策のワラビ根発掘地は各地に残存する。
 先日ワラビ粉採取の実績を持つ島根県津和野町大字相撲原地区を訪れたのは、山口市内の外郎業者、商工会議所、農業試験場、徳地町有志、市、県の関係者ら約30名で、ワラビ粉採取の実情を現地の人達から聞いた。
 一行はこれからワラビ粉生産に向け休耕田活用など検討に入る。(F)
稜線 (2010年6月18日)
 「平城京 平城京 名前だけは知っている 平城京 平城京 えっ? 名前しか知らないの…」と始まる歌をご存じだろうか? あの「せんとくん」がノリノリでダンスする、一度聞いたら忘れられないテーマソング「せんとくんなら知っている」だ。
 先日、奈良県で開催中の「平城遷都1300年祭」に行ってきた。メーン会場の平城宮跡には、以前からある朱雀門や東院庭園、各資料館や展示館に加えて、新たに第一次大極殿も復元。さまざまな映像で当時の様子を紹介する「平城京歴史館」、往時の人々の暮らしを学ぶ「平城京なりきり体験館」などのパビリオンや、ステージショー、パレードなどもあり、歌の続きにある「来て 見て 知って 遊んじゃおう 来て 見て もぉっと 学んじゃおう」が実体験できた。
 さて、このように歴史遺産を生かした大がかりな催し、過去に山口県ではあっただろうか? 国会での「奇兵隊内閣」(菅首相)、「逃げの小五郎」(渡辺喜美氏)発言や、ドラマ「龍馬伝」への主要人物登場など、“旬”でもある「維新」関連には熱烈なファンも多く、全国から人を呼べる素材だろう。全県での「維新祭」や「長州博」等を開催すれば、県内を覆う閉塞感も打破できるのではないか。(K)
稜線 (2010年6月11日)
 新聞によると山口大学にタイやカンボジアからの留学中の学生達が、日本の農耕文化を学ぶため、早乙女姿になり田植えをしたというほほえましい催しがあったという。
 もともと稲作が日本に伝わったのは東南アジアの諸国からである。
 縄文から弥生期にかけて粟、麦、大豆、水稲が牛馬の家畜と共に渡来するが、この時代すでに中国、東南アジア諸国では
稲作の田植えが行われていた。
 日本流の田植えは単調で長時間労働であることから集落で行い、田植え唄や囃子によって鼓舞・協調をはかってきた。
 その田植え唄は古来単なる労働歌ではなく、田の神に豊作を祈願する信仰儀礼であった。田植えの神事には日本各地によ
っていろいろな形があるが、田の神をまずわが田に招き、中国地方の山間部に残る花田植えの行事のように、着飾った早乙
女たちが唄音頭に合わせて早苗を植えてゆく。その田植えが昭和40年代になり田植え機が開発され、手植えの十分の一の時間で、しかも家族労働だけで田植えが完了し、集落共同作業が消えた。
 しかしタイやカンボジアなどの農村部では今なお農事祭礼風習と田植えは続けており、山大留学生達は農耕文化ルーツの国出身なのだ。(F)
稜線 (2010年6月4日)
 5月29日の夜、一の坂川へと足を運んだ。この日は「ほたる観賞ウイーク!」の初日でもあり、C・S赤れんが前には夜店がズラリ。さらに、一の坂川多目的広場、山口ふるさと伝承総合センター、マリン水の上店などでは多彩な催しもあり、いくつもの長蛇の列ができていた。車両通行止めとなった御茶屋橋から伊勢橋までの川沿いは老若男女でごった返し、まるで都会と見まごうほどだ。
 主役のホタルも、27日には53と少なかった発光数が、翌28日には約8倍の408に、そしてこの日は540にまで増えた。午後8時前から徐々に光り出し、暗闇になった8時半ごろには、幻想的な光が周囲を飛び交っていた。
 そんな中、付近から打ち上げ花火が数発打ち上げられた。ここは住宅密集地で、かつ大勢の人がそぞろ歩きしているさなかだ。万が一火災が起きたり、ホタルを見に来た子どもらがやけどしたら、どう責任をとるのか? せっかくの雰囲気がぶち壊しにもなるし、強く自重を求めたい。
 さて、「ほたる観賞ウイーク!」は6日まで。5日(土)にも近辺では、多彩な催しが開かれる。1日時点の発光数は899だ。「今年はまだ」という人はもちろん、すでに行かれた方も、ぜひ出かけてみてほしい。(K)