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稜線

稜線 (2010年7月30日)
 1369(応安2)年、大内氏の24代当主弘世が、京都・八坂神社(祇園社)を勧請したのが山口・八坂神社の始まり。そして、八坂神社の祭礼・山口祇園祭は、1459(長禄3)年に28代・教弘が京都から伝えたといわれており、約550年もの伝統を持つ。今年も、20日の御神幸、24日の御中日祭、27日の御還幸と、さまざまな神事が繰り広げられ、幕を閉じた。
 もともとは、向暑の疫病退散と、地域住民の繁栄・親睦を目的に始まった。江戸時代初期には、15の鉾と4基の山が街を練り歩き、鷺の舞や祇園ばやしなど、その豪華絢爛な様は「西国一」と賞され、地元はもとより近隣の村々、遠くは石見の国から押しかけるほどにぎわっていたという。しかしながら、太平洋戦争中に山鉾が廃止になり、祭り自体も2年間中断。戦後に再開したものの、往時のにぎわいは取り戻せていない。本家・京都や“先輩”の博多に劣るのは仕方ないにしても、小倉や戸畑など“後輩”に後れを取っている現状は歯がゆく、ぜひとも改善していきたい。
 さあ、次は1週間後の「山口七夕ちょうちんまつり」だ。6日(金)、7日(土)の2日間、夏の風物詩“紅ちょうちん”に、一人でも多くの市民にかかわりを持って欲しい。       (K)
稜線 (2010年7月23日)
 山口市阿知須特産のカボチャくりまさるが市場や店頭で見かけるようになった。
 クリよりも糖度が高く甘味も多いことからクリマサルの呼称が生まれたカボチャで、阿知須地区の農家のグループが地区の代表的な産物であるカボチャを更に改良工夫しようと、種子を選ぶことから始めて阿知須の土壌が生育に適していることもあって肉厚で甘味のすぐれたものが生産できるようになった。
 カボチャは九州でボウブラ、関西・中国でナンキン、関東ではトウナスとも呼ぶ。
 日本名カボチャの由来は1541(天文10)年にポルトガル船が豊後(大分県)に漂着し大友氏に献上したのがはじまりで東南アジアのカンボジアが訛ってカボチャとなり、ポルトガル語のアボブラがボウブラになったともいう。
 カボチャは東南アジアに渡来するまでの原産地はペルー、ボリビア、アルゼンチンの高原地帯で現在はアメリカ、ヨーロッパ、シベリアまでも布及した。
 中国では種子を乾燥して味付けし菓子の代わりや酒のつまみにしている。
 日本の生産地は宮崎、愛知、岡山などとなっているが、クリマサルはハナッコリーと共に全国発信野菜となった。(F)
稜線 (2010年7月16日)
 先週広島で、中国経済産業局・長尾正彦局長による「『ど真ん中』中国地域を元気発信地へ!」と題された講話を聞いた。
 まず最初に、世界経済とわが国の動向を比較。続いて、国による最近の施策等の解説がなされ、その上で「中国地域を元気にする戦略と取り組み」について、農商工連携、地域資源活用、地域発イノベーション推進、中心市街地・商業の活性化、サービス産業振興、低炭素・循環型社会の実現と環境ビジネスの育成等々、さまざまな分野について説明があった。
 山口市における「元気にする取り組み」として紹介されたのは、1地元産農産物を用いた加工品販売の全国展開(アグリプロジェクト)2長期滞在者向けツアー開発(湯田温泉旅館協同組合)3カワラケツメイを生かした特産品づくり(徳地商工会)4植物工場管理技術者育成プロジェクト(山口大学)5中心市街地活性化基本計画(山口市)6商店街活性化事業計画(山口道場門前商店街振興組合)7新・がんばる商店街77選(山口道場門前商店街)8中国地域におけるハイ・サービス日本300選(てしま旅館)9中国地方の伝統的工芸品(大内塗)、などがあった。
 同様の取り組みを、もっともっと増やしていきたい。(K)
稜線 (2010年7月9日)
 先日開かれた山口市日韓親善協会の総会は、平成22年度事業計画として昨年はインフルエンザ流行のため訪問を中止した韓国公州市の大百済祭にことしの10月には参加することにし、会員や一般市民にも呼びかけ訪問団を送ることを決めた。
 公州市は百済王国時代に首都となり大河錦江河畔に町並みのつづく史都で、街の西北にある古墳群から百済中期の武寧王の古墳が完全に発掘されている。墳の内部はドーム状となって断面はアーチ型で壁面も残存するなど百済王国の繁栄が偲ばれる。
 百済の聖明王が仏教と経論を日本の奈良朝に伝えたのは552年である。その聖明王の末裔とする大内氏が山口に開府して今年は650年を迎えた。
 山口市が公州市と姉妹友好都市を結んで以来、公州市との交流は百済祭参加だけでなく両青年会議所による「ジュニア交流隊」や日韓親善協会主催の「韓国語・日本語弁論大会」または「韓国料理講習会」なども行われている。
 山口市と公州市の親善友好を肌で感じるものに百済祭に参加した「長州よさこい連崋劉眞」のパレードがある。踊るよさこい連に声援を送る公州の中・高生の熱狂ぶりには圧倒される。(F)
稜線 (2010年7月2日)
 山口県の最低賃金は、時間あたり669円。全国平均は713円だが「できる限り早期に全国最低800円を確保、全国平均1,000円を目指す」という目標が、政府の「新成長戦略」に盛り込まれた。
 各種統計を見ると、国内賃金は90年代後半から下落傾向が続いている。先の目標は「戦略の掲げる実質2%、名目3%を上回る経済成長が前提」だとしているが、10年来続く傾向を逆転させるには、よほどの荒療治が必要だろう。
 モノやサービスの価格には、製造・流通・販売時における賃金が含まれており、特にサービス業は賃金の占める割合が高い。このままデフレ傾向が続き、モノ・サービスの値段が下がり続けるようなら、目標とは逆に、賃金は下落し続けることになるだろう。
 現状の山口市を見渡すと、地場企業の賃金上昇などあり得ないことだ。流通等のコストを規模の力で抑える“グローバル企業”による安売りおよび下請けへの値下げ圧力が、地場中小企業を「十分な賃金を払えない」体質にしてしまった。官公庁の入札も低価格で推移し「十分な賃金を払えない」水準。定住人口の増加も劇的には見込めず、交流人口の使うお金は流出超…。地方の地場企業にも配慮した「戦略」であってほしい。(K)