山口大学教育学部附属山口小学校(以下附属山口小)は、本年度創立150周年を迎えた。この節目に、同校の歴史・伝統や果たしてきた役割を再確認しようと、記念式典など各種記念事業が実施される。その一つとして、サンデー山口でも式典前と式典後(2026年1月24日予定)に、特集ページをお届けする。
附属山口小(山口市白石3)は、1874年(明治7年)に、旧長州藩の学舎・山口明倫館の一部を教場にあて、小学校授業伝習所として亀山南ろくに創立。同年、県教員養成所付属小学校となった。
その後、戦前・戦後の改組によって、何度か名前を変えながら、1951年(昭和26年)に現在の校名になった。今立地する「西白石校舎」には1957年(昭和32年)に移転。また、現在使われている校舎は、1972年(昭和47年)に建てられたものだ。
同校の「教育目標」は、「かしこく・やさしく・たくましく」。1年生から6年生まで、各学年2学級・412人の児童が学んでいる。
卒業生には、日産自動車の創業者・鮎川義介(1880-1967年)や、付属小での出会いが詩人へといざなった中原中也(1907-1937年)らがいる。
中也は、下宇野令尋常高等小(現在の湯田小)に通っていたが、担任の大庭吉蔵先生に勧められ、5年時に山口師範学校付属小に転校。そこで出会ったのが、中也が「詩的履歴書」に「大正七年、詩の好きな教生に遇ふ。恩師なり。その頃地方の新聞に短歌欄あり、短歌を投書す」と記した文学好きの教生・後藤信一だ。彼の影響を受けて短歌を作り始め、それが、後の詩作につながっていったという。
150周年に関われる幸せ
久保田尚校長
附属山口小学校、創立150周年。私個人のお話をさせていただくと、教諭で5年、退職後の非常勤講師で3年、そして今の校長職として2年の計10年間附属山口小学校に関わることができています。本校の150年の歴史に比べると、ほんの瞬間に過ぎませんが、150周年という大きな節目のこの時期に関われる幸運に感謝しています。
多くの卒業生、教職員、実習生、地域の方々など、いろいろな立場で本校に関わってこられた皆様とともにお祝いしたいと思います。
附属山口小学校150周年に寄せて
中田充山口大学教育学部長
山口大学教育学部附属山口小学校の創立150周年を心よりお慶び申し上げます。
山口明倫館に端を発し、山口県における教員養成の中核として歩んできた本校の歴史は、多くの教職員と卒業生、そして地域の皆様に支えられてきました。深く感謝申し上げます。
この記念すべき節目を契機に、次代の山口県を担う子供たちのために、新たな一歩を踏み出してまいります。今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。
11月15日に創立150周年記念式典開催 OGのピアニスト・石田成香さんも演奏を披露
11月15日(土)午後1時から、山口大学教育学部附属山口小学校創立150周年記念式典が、山口市民会館大ホール(山口市中央2)で開かれる。主催は同実行委員会(末永久大委員長)。
関係者あいさつなどの「第1部」に続き、6年生児童が司会・進行を務める「第2部」は、1時半にスタートする。
冒頭を飾るのは「児童発表」。低学年、中学年、高学年の順に、合唱・合奏が披露される。
次に、同校の愛唱歌で、1972年の校舎改築まで歌われていた「学園の歌」と、それ以降歌われている「新学園の歌」の合唱。その際、旧学園の歌を作詞した末永弘子さん(旧姓清水、1952年卒)にも、当時のエピソードを聞く。
続いて、同校を卒業したピアニスト・石田成香さんによるステージが、約30分間披露される。
そして最後には、石田さんの伴奏に合わせて、参加者全員で同校校歌を斉唱する。終了は3時15分ごろの予定だ。
会場内では、同校の150年間を振り返るパネル展示などもされる。
石田成香さん
石田さんは、1997年生まれ。3歳からピアノを始め、附属山口小在学時に欧州の音楽セミナーにも参加。2009年、オーストリアで開かれた第1回ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクール(31歳以下)で最年少第2位・最優秀シューベルト賞・最優秀新曲賞・最優秀若手音楽家賞を併せて受けた。附属中進学後も、ロシアや米国など海外でのコンクールで輝かしい成績を収め、15歳から約3年半にわたり、日本が誇る世界的ピアニスト・故中村紘子氏に師事した。山口中央高卒業後、ウィーン国立音楽大ピアノコンサート科に入学。学士・修士課程を最優秀で卒業し、同大学のポストグラデュエート課程も修了。ウィーンを拠点に、世界的に活躍している。
授業参観・懇親会も
同日午前中には、同校で授業参観も行われる。在校児童の保護者だけでなく、卒業生ら一般も参観できる。1時間目は9時20分から10時5分までで、2時間目は10時20分から11時5分まで。さらに、6年生が同校の150周年について「調べ学習」した成果なども、体育館で発表される。
授業参観は無料だが、式典への参加には、事前のエントリーおよび一口1000円以上の寄付が必要だ。問い合わせは、同校(TEL083-933-5950)へ。
そして、午後5時半からは「記念懇親会」が、西の雅常盤(山口市湯田温泉4)で開かれる。立食形式で、会費は9000円。「同窓生や恩師の方々と懇親を深め、各学年で2次会も催してほしい」と主催者は呼び掛けている。
式典・懇親会の詳細や申し込みは、特設ページ(https://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~yamasyo/0000150shunen/fuzokuyamaguchi150peji.html)を参照のこと。
また、同実行委員会は、学校の設備や活動を支援しようと、寄付も募っている。方法には、以下の2種類がある。
※山口大学基金サイトはこちら
※本特集ページは、以下の皆様からの「寄付広告」(詳細は後述)によって制作いたしました。
- 県庁附属山口小学校卒業生有志一同
- 山口口腔研クリニック
- 淵上整形外科
- 松田屋ホテル
- 岡藤呉服店山口店
- 蔵田株式会社
- 二胡カフェ Ri-Wa
- 山口進学塾
- 田村医院
- 蕨菓匠 本多屋
- 天然温泉 清水湯
- 林外科医院
- 株式会社向学社
- 西京銀行
- 株式会社技工団
- 田原屋
- 池田歯科医院
- 信和不動産株式会社
- 学生専科タケナガ
- 公文大殿東教室
- おおどの診療所
- 西の雅 常盤
- 関 周
- 正木税理士事務所
- 長崎歯科医院
- サン・ロード株式会社
- 清水内科医院
- サンデー山口
- 能力開発センター山口校・防府校
- 進学塾アクシア
- 末永法律事務所
- エスポルト不動産株式会社
- たはらクリニック
- 近江屋
- かめ福オンプレイス
- 株式会社オオバクリエイティブ
「寄付広告」は、附属小のさらなる教育実践活動の発展を祈念する「寄付」と、同校の歴史・伝統と果たした役割を広く伝える「特集発行」への支援を兼ねたものです。
次回は、2026年1月24日(土)付サンデー山口を通じて、記念式典の様子などを伝える予定です。この特集への「寄付広告」をご希望される方は、サンデー山口(TEL083-925-7912、info@sunday-yamaguchi.co.jp)までご連絡ください。