「山口でなかなか上映される機会のない良質な単館系新作映画を、自分たちの手で上映・観賞する」ことを目的に活動している「西京シネクラブ」(大久保雅子代表)は、10月18日(土)に「ゲッべルス ヒトラーをプロデュースした男」(2024年、ドイツ・スロバキア)を上映する。会場は山口市民会館(山口市中央2)小ホールで、上映時間は午前10時半、午後2時、7時からの3回。
アドルフ・ヒトラーが1933年にドイツ首相に就任してから1945年に亡くなるまで、プロパガンダを主導する宣伝大臣として国民を扇動したヨーゼフ・ゲッベルスの半生を描いた作品だ。当初は平和を強調していたが、ユダヤ人の一掃と侵略戦争へと突き進むヒトラーから激しく批判され、ゲッベルスは信頼を失う。愛人との関係も断ち切られたゲッベルスは、自身の地位を回復させるため、ヒトラーが望む反ユダヤ映画の製作、大衆を扇動する演説、綿密に計画された戦勝パレードなどを次々と企画。国民の熱狂とヒトラーからの信頼を取り戻す。独ソ戦で戦争は本格化し、ユダヤ人の大量虐殺はピークに達する。1943年にスターリングラード攻防戦敗戦後、ゲッベルスは国民の戦争参加をあおる"総力戦演説"を行う。だが、状況がますます絶望的になっていく中、ゲッベルスはヒトラーとともに第三帝国のイメージを後世に残す最も過激なプロパガンダを最後に仕掛ける。
本作は、2024年ミュンヘン映画祭で観客賞を受けた。ゲッベルス役はロベルト・シュタットローバー、ヒトラー役はフリッツ・カール。配給元のアットエンタテインメントは「ウクライナやガザにおける戦争、ポピュリズムや極右台頭の背後で喧伝(けんでん)される言葉や映像、量産されるフェイクニュース。インターネット、SNS全盛の現代社会でわれわれがどのようにウソを見抜き、真実を見極めることができるのか。それにはゲッベルスの手法を知ることが重要である。これはまさに、現代社会へのアンチテーゼである」としている。
「本作には、ヒトラーやゲッベルスの実際の映像が挿入されており、俳優が演じるドラマと巧みにつながれている。強制収容所の写真も使われており、見るのがつらい場面もあると思うが、歴史に学ぶことは多いと感じる」と大久保代表。
チケットは、当日会場で販売。料金は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。電話予約(TEL083-928-2688)すれば、一般料金のみ1500円に割り引きされる。