マッチ箱の上におさまるほどの小さなねずみが主人公の写真絵本。ねずみはピンクの鼻先をピクピク動かし、家にするのにぴったりの場所をさがしています。
「ここが いいかな?/いや ここは さむすぎる。ここが いいかな? いや ここは あつすぎる」
植木ばちの中にはつめたい風が吹きこんでくるし、火の燃えている暖炉のそばは、あつすぎます。
「さむすぎない/あつすぎない/ひろすぎない/せますぎない/やかましすぎない/ぬれてもいない/きたなくもない」
ねずみがさがしているのはそんな家。でもなかなか見つかりません。
リズミカルにくりかえされる文章を声に出して読むと、ねずみが本当に本の中を走りまわっているような気がしてきます。
やっと見つけたすてきな場所、それは人形の家。そこにはねずみにぴったりの大きさの机やベッド、おふろまでちゃんとそろっていました。よかったね!
「ねずみのほん」シリーズの一冊め。友達をさがす二冊め、食べ物をさがす三冊めもあわせてどうぞ。
童話屋(1984年)
作:ヘレン・ピアス
訳:まつおか きょうこ
ぶどうの木代表 中村 佳恵