冬服を片付けなければならない。まだコートやセーターが部屋に散乱している。整理整頓が苦手な私は、季節の変わり目にはいつもこうなる。古い服は捨てようと思うが、なかなか処分できない。体重は変化ないが体形は変わった。全ての肉が下垂した。胸は脂肪が落ち、小さくなった。腰回りは太くなったが、たいていの服はウエストがゴムなので今でも着られる。
問題は色である。若い時は、明るい色が好きだったので、ショッキングピンクや鮮やかな赤、黄色などが多い。これ等は現在の白髪の私には似合わない。今、着ていて安心できる色は、白っぽいグレーや紺色。そんな服は持っていないので、昔の派手な色の服を着ることになる。そして、恥ずかしいので、こそこそと歩く。
どうしてこんな服を買ったのかわからないものもある。インドネシア航空の昔でいうスチュワーデスの制服。更紗模様の上着とロングスカート。空港の売店で買った。一度だけ着て夜の街に出たことがある。素敵ね、って誰も言わなかった。中国の露店で求めたチャイナ服。ピンクや黄色、赤や青の花の刺繍があり大胆なスリットが腿辺りまで入っている。一度も着たことがない。一生着ることもないが、美しすぎて捨てられない。
ああ、今日も片付かない。