山口市大内で医療・介護サービスを展開する医療法人社団水生会グループは、柴田病院(山口市大内矢田北5)を中心に、介護老人保健施設、有料老人ホームを運営。「お家(うち)に帰れる 大内(おおうち)の病院」を合言葉に、地域の人たちの健康と生活を支えている。日本人の2人に1人が花粉症を発症しているとの統計もある中、花粉飛散のピークを前に、岩本菜奈子眼科科長に花粉症対策などを聞いた。
岩本菜奈子眼科科長
花粉症と目の症状
~アレルギー性結膜炎について~
春先になりますと、目のかゆみや充血、涙目でお困りの方が増えます。花粉症は鼻だけの病気ではなく、結膜に起こる「アレルギー性結膜炎」が大きな負担になります。
山口県では例年、スギは2月中旬~3月、ヒノキは3~4月に飛散のピークを迎え、症状はこの時期に強く出やすくなります。春以外でも、初夏のイネ科、秋のブタクサ・ヨモギなどで症状が出る方もいます。季節に関係なく続く通年性(ハウスダスト・ダニ・動物の毛など)の結膜炎もあります。
目の花粉症、主な症状
アレルギー性結膜炎の代表的な症状には、目の強いかゆみ、充血、ゴロゴロした異物感、まぶたの腫れ、涙や目やにの増加などが挙げられます。
昨シーズンまでは何ともなかった人が突然発症したり、シーズン途中で症状が現れたりすることがあります。これは、蓄積されたアレルギー反応が閾値(しきいち)を超えるためです。症状が強いと、夜寝ている間につい目を強くこすってしまい、角膜(黒目の表面)を傷付けてしまうこともあります。すると、視力の低下や感染症のリスクも高まるため注意が必要です。また、ドライアイの方は、涙によって花粉が洗い流されにくいことから、症状が悪化しやすい傾向があります。黄緑色の膿(うみ)のような目やに、強い痛み・急な視力低下がある場合は、感染性結膜炎など別の病気の可能性があるため受診を急いでください。
花粉症の治療方法
アレルギー性結膜炎の治療では、主に抗アレルギー点眼薬が使われます。症状が重い場合は、炎症を抑えるためにステロイド点眼薬を併用することもあります。
特に重要なのが「初期療法」です。花粉が飛び始める2週間ほど前から点眼薬を使い始めることで、症状を軽くしたり、発症時期を遅らせたりする効果が期待できます。
症状が出てからの治療はもちろん大切ですが、早めの対策が予防には欠かせません。
日常生活でできる花粉対策
治療とあわせて、日常生活での花粉対策も重要です。
- ・外出時は花粉対策用メガネやマスクを着用
- ・帰宅時は衣服や髪についた花粉を室内に持ち込まないよう払い落とす
- ・洗顔や洗眼で目についた花粉をやさしく洗い流す
- ・部屋の換気は花粉が少ない時間帯に行う
- ・空気清浄器を活用する(フィルター清掃も忘れずに)
このような工夫を日々積み重ねることで、目への花粉付着や症状の悪化を防げます。
ひどくなる前の受診が大切です
花粉症による目の症状は、決してそのまま放置してよいものではありません。症状が進行すると生活の質が落ちるだけでなく、将来的な目の病気を引き起こす要因にもなります。
「例年よりかゆい」「今シーズンから充血や涙目がはじまった」など、少しでも気になる症状があれば、早めに眼科へご相談ください。
適切な診断と治療、そして日常の対策で、快適な春をお過ごしいただければと思います。
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