毎年3月24日はWHO(世界保健機関)が定める「世界結核デー」。かつては「不治の病」と恐れられ、1970年代後半まで日本人の死因上位にも入っていた結核だが、診断法や治療薬、予防体制の確立により、現在では「薬で治る病気」となっている。国内の2024年間の結核り患率(人口10万当たりの患者数)は8.1で前年と同率だった。WHOが定める「結核低まん延国」の水準を維持しているが、患者は高齢者が多く、若年層の外国出生者でも増えている。
どんな病気?
結核は、結核菌によって、主に肺に炎症が起こる病気だ。咳やくしゃみの飛沫から菌が飛び散り、それを吸い込むことで感染する(飛沫感染)。初期症状は風邪に似ているため、気づきにくく、発見が遅れることもある。食器や衣類などを介して感染することはない。また、結核菌を吸い込んでも必ず感染や発病するわけではないが、免疫が低下している時は発症しやすく、注意が必要だ。
典型的な症状
結核菌に感染し発病すると、初期は風邪に似た、痰(たん)、微熱、寝汗、だるさなどの症状が現れる。さらに病状が進行すると、血痰(けったん)や喀血(かっけつ)がみられることもある。
県内の感染状況
2024年の山口県内の新登録結核患者数(1月1日から12月31日までの1年間に新規に結核患者として保健所に登録された人数)は116人(男性59人、女性57人)で、2023年(114人)よりも微増。そのうち70歳以上は77人で前年比8人減だったが、近年増加している若年層の外国出生者患者数は20人と過去10年で最多となった。新登録患者は「高齢者」と「若年層の外国出生者」という二つの層に集中する傾向がみられている。
予防するには?
適度な運動、十分な睡眠休養、バランスの取れた食事を心がけ、免疫力を保つことが大切だ。
早期発見のためにも、市町村で行っている住民健診や職場等の健康診断を積極的に受けよう。65歳以上の人は感染症法に基づき、年1回の結核定期健康診断(胸部エックス線検査)の受診が義務づけられている。また、乳児は生後1歳までにBCG接種を受ける必要がある。万が一子どもが結核に感染した時にも、重症化を防ぐことができる。
治療するには?
通常、医師の指示通りに薬を服用することで治療できる。自己判断で服用を中断すると、結核菌が薬に対して抵抗力(耐性)を持ち、薬の効かない結核菌(耐性菌)になる可能性がある。医師の指示に従い、治療期間を守り、最後まで服薬を続けることが重要だ。
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早期の正しい診断と治療が、重症化や集団感染の防止につながる。痰(たん)のからむ咳や微熱、体のだるさといった症状が2週間以上続く場合は、下記に掲載の医療機関などを早めに受診しよう。
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