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知っていますか? 県民歌
 「山口県の県民歌は?」と尋ねられて思い浮かべるのはどんな曲   。多くの人は「錦帯橋はうららかに…」で始まる曲が浮かぶはずだが、「空の青さに…」で始まる「みんなのふるさと」のメロディーを浮かべる人や、全くわからないという人もいる。また、年配の人なら「豊浦の宮の故事しのび…」を思い出すかもしれない。実際にはどれが正解なのか   

 山口県の県民歌に当たる「山口県民の歌」は、1962年に県政施行90周年記念事業の一環として「県旗」とともに制定された。
 制定の背景には、翌63年に開催された山口国体もあった。97年に福井県広報課がまとめた全国の県民歌制定状況によると、県民歌がある43都道府県のうち、7府県が国体の開催を制定の理由に挙げたほか、国体をにらんでつくったと思われる県も複数あった。
 「山口県民の歌」の作詞は佐藤春夫、作曲は「海ゆかば」の信時潔。三鷹淳・真理ヨシコのコンビが歌ったレコードが市販されたほか、テレビ・ラジオでも流された。ちなみに裏面に収録された山口県の歌「のばせ山口」は橋本正之知事(当時)の作詞、片山正見作曲で、若山彰が歌った。


「山口県民の歌」
(1番のみ)
錦帯橋はうららかに
秋吉台はさやかなり
秀麗の地に偉人出て
維新の偉業なせるかな
 誇りと使命忘れめや
 山口県の我らみな
「のばせ山口」(1番のみ)
にしの都とよばれたる
歴史はふるきこの山河
時代の波にさきがけて
文化の花のさくところ
今その土をふみしめて
のばせ われらの山口県


 県民体操の音楽として使われているものの、ほとんど聞かれなくなった「県民の歌」に代わって、耳にする機会が多い「みんなのふるさと」は、79年に第3次長期展望の基本目標「あたたかいふるさとづくり」を目指して制作された。県警音楽隊が県行事で演奏したり、県庁の電話保留音に使われるなど、事実上の県民歌に近い存在になっている。周南市の国兼由美子さん作詞、山陽町の田村洋さん作曲によるものだ。


「みんなのふるさと」
(1番のみ)
空の青さに 心はずませ
季節がめぐる 山と海
自然のやさしさ
 小さなふれあい
希望と夢と
 みどりと花に
明けゆく山口
 みんなのふるさと


 県広報広聴課は「それまで県民歌が無かったので62年につくった」というが、実は40年(昭和15)に制定された「山口県民歌」が存在する。詞の公募には600編の応募があったが当選はなく、佳作第1位の作品を基に渡邊世祐、高野辰之両文学博士が作詞。「県民の歌」と同じ信時潔が曲を手がけた。また、「愛染かつら」で知られる霧島昇が歌ったレコードもつくられた。


「山口県民歌」(1番のみ)
豊浦の宮の故事しのび、
藩祖の訓代々に守りて、
百万一心結びも固く、
奉公の意気天地に満てり。
 いざいざ仰げ御遺徳、
 永久にかはらぬ御鏡ぞ。