山口市が取り組んでいる広域県央中核都市づくりは、国全体や県の人口が減少していく中にあっても、県央部約60万人の広域経済・交流圏全体の経済成長や定住促進に貢献するような魅力あふれる県都づくりを、山口・小郡両都市核を中心に進めようというものだ。小郡都市核においては、JR新山口駅という広域交通結節点を有する小郡地域のポテンシャルを引き出すことが、2005年の市町合併後のまちづくりにおける命題でもあった。そして、合併の進捗の中で国や県による支援が確保され、さらには市の合併後のスケールメリットを生かすことで、これまでに900億円を超える投資が行われてきた。
具体的には、国道9号の4車線化、中国縦貫自動車道の小郡ジャンクション整備、山口宇部道路における長谷インターチェンジや新山口駅へのアクセス道路の整備促進が図られた。山口市も、小郡駅前第三土地区画整理事業、下水道整備、雨水排水対策事業など、市街地形成に欠かせない都市基盤の整備を推進。新幹線停車駅の機能強化に向けたターミナルパーク整備、新たなビジネス交流の創出に向けたKDDI維新ホールを含む産業交流拠点施設の建設、そして昨年6月に竣工した新山口駅北地区第一種市街地再開発事業への支援なども進めてきた。
再開発された新山口駅北地区
このような取り組みの結果、新山口駅の利用者数は増加に転じ、県内で最も乗車人員の多い新幹線駅となった。また、25年の地価調査において、新山口駅周辺の商業地基準地価の上昇率は、5年連続で県内1位となっている。
さらに、小郡地域の人口も、以前は横ばい・減少傾向だったのが、合併後は増加に転じた。およそ20年間で約3000人が増え、約2万6000人となるなど、新市のまちづくりにおける小郡都市核づくりの効果が現れている。
こうした中、とりわけ駅に近接するエリアでは、KDDI維新ホールにおけるイベント開催時や週末などは時間貸し駐車場が満車になって利用が困難だったり、「駐車場不足が店舗出店の障壁となっている」などの声も聞かれる。そこで市は、駅周辺の駐車場の需給状況を把握するための基礎調査・ニーズ調査を進めており、その結果を踏まえて駐車場整備の促進に向けた具体的な取り組みを検討する予定だ。
また、25年4月には、駅周辺における飲食店不足等への課題対応として、新規出店を支援する補助や制度融資が創設された。
山口市都市核づくりビジョンには、小郡都市核西側の一帯が、業務機能等を誘導するエリアに位置づけられている。市では、新山口駅周辺の土地の利用状況を見極めつつ、新たな都市機能の受け皿として検討を開始する時期とも捉えている。その規模感や施策展開など具体的な方向性については、第三次山口市総合計画や関連する部門計画において検討を進めていく考えだ。
未来へ牽引! 小郡都市核
山口市の小郡都市核では、JR新山口駅「南北自由通路」「橋上駅舎」「北口・南口駅前広場」、KDDI維新ホール(山口市産業交流拠点施設)、「県道新山口停車場長谷線」(令和通り)の整備、民間による駅北地域の再開発など、県都・山口の陸の玄関口にふさわしい駅空間が形作られてきました。そこで本特集では、小郡都市核の未来に向けて、地域を牽引している企業・店舗などを集めました。
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