先日、市の検診で胃カメラを飲みました。小さなカメラをゴックンと飲むのです。喉を通る時、ちょっとだけウッとむせますが大丈夫です。さあ、開始。ベッドの横に据えられたテレビ画面に、胃の中を進む内視鏡の映像が映し出されます。ここが食道、ここが胃、十二指腸とお医者さんが内視鏡を操りながら教えてくれます。薄いピンク色をしています。襞のよった蛇腹です(腹黒かったらどうしましょう?)。
これはどこかで見たことがある・・・マウスピースを嚙み締めて記憶を辿ります。そうだ、ユムシだ。釣り道具屋の餌売り場で見たユムシ。水槽の浅い水の中でヨタヨタと這っていた。環形動物門ユムシ綱ユムシ目ユムシ科ユムシ。メバル、マダイ等大型魚を釣るのに適した餌です。
指サックを切って筒にし、皺寄せ蛇腹にしたような虫。色は薄いピンク。上(口?)から吸いこみ下(肛門?)から吐き出している。黒い糸のようなものが見えます。
私の身体の真ん中を口から肛門まで貫く管はユムシと同じ。私は筒。人間の原型は筒でありユムシです。ユムシの身体は透けていますが、私は肉に覆われて透けないからカメラを飲みます。レンズが筒をゆっくり進みます。「ここ少しびらんがありますね」「えっ」。